目的と手段




藁にもすがる思いの人間は、藁しかつかめない。

そのような人間がいると、藁を差し出す人間が現われる。

その人間は「藁こそが、この人に必要なものである

(この人に必要なものは私が持っている)」と信じ込んでいる。



削りたい木があるときにカンナが有効なのであって、

カンナの切れ味を試すために木があるのではない。

道具の良し悪しを評価する人間は道具の使い途を知らない。