「溺れる者は藁をも掴む」という諺が示す真の教訓は、「苦境に立たされた人間は、ひとたび手近な自己救済手段を見つけると、それに甘んじてしまい、本来の目的(水から陸に上がること)を忘れてしまう」という点にある。

自分がもし、すがり甲斐のない手段にすがっていると感じたら、自分の真のニーズは何かを見極める必要がある。

あなたが窮地に陥ったとき、手段ばかりを提示して「これこそがあなたに必要なものだ」と言う人間が現われたら、その人間がなぜ手段ばかりを押しつけてくるのか、その本当の目的に注意をはらうとよい。それはおそらく、その人間にとってその手段が「藁」であることを物語っている。