「ブランコ乗りとキーホルダー」



1.

引き出しにカギを残して

新しいトキメキを求めて

君が出て行ったあの日から

ぼくは君のキーホルダー

君はパンドラの箱にカギをかけ

ぼくにそれを預けた

でも忘れないでおくれ

カギは閉めもするし

開けもすることを

そして時々思い出しておくれ

二人がこの世に生まれたわけを

そして時々思い出しておくれ

二人がこの世に生まれたわけを


2.

君が立ちすくんだとき

ぼくはそっと背中を押した

君が振り向いたら 笑顔で

この手に君を引き寄せた

ブランコの乗り手とこぎ手のように

ぼくが君にあげたもの

ぼくが君から奪ったもの

それが君の言う

「冷たい自由」か

だけど自由とは手編みのニットさ

ほどけば一本の糸に戻る

だけど自由とは手編みのニットさ

ほどけば一本の糸に戻る


3.

ブランコに乗った君はもう

一人でこげるようになったんだね

ならばぼくもこぎ始めよう

ぼくは君のキーホルダー

君の胸がまだつぼみの頃から

それは決められていた

この出会いと別れを

ぼくはわかっていた

二人が勝手に

気ままにこいで揺れが合わなくても

ぶら下がっている軸は同じさ

気ままにこいで揺れが合わなくても

ぶら下がっている軸は同じさ



そして時々思い出しておくれ

二人がこの世に生まれたわけを

そして時々思い出しておくれ

二人がこの世に生まれたわけを