悟りへ至る第一段階 〜part2〜 


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<図への記入の仕方>


■「A」への記入

 自分以外のものを主語にし、自分を目的語ないし補語にして文章を作ってみる。主語が特定できない場合は、「誰かが」「何かが」「世の中が」など、漠然としたものを主語にしてみる。

 文型:「誰々(何々)は、私を(私に、私に対し)、何々する(何々である)」

 (例)「夫は、私をこき使う」
    「子供は、何かと私に反抗する」
    「母は、私にすぐ小言を言う」
    「〜さんのブリッ子ぶりは、私をムカムカさせる」
    「誰かが、私を攻撃しようとしている」

 

■「B」への記入

 自分を主語にし、自分の現在の素直な気持ちとして、Aの文章と対立する感情を、「でも」「のに」「にも関わらず」などでつながる文章として表現してみる。その際、Aで主語にしたものを目的語ないし補語にしてみてもよい。

 文型:「私は、(〜を、〜に、〜に対し)、何々しない(何々でない)」

 (例)「私は、夫の要求にいちいち応えられない」「私は、夫に何の要求もしない」
    「私は、子供の言うことを何でもきいてやる」「私は、子供に言うことをきかせたい」
    「私は、母に(誰にも)小言を言ったりしない」
    「私は、ブリッ子なんかじゃない」
    「私は、誰かの攻撃をかわせない」「私は、誰も攻撃したりしない」



■「A」から「C」への変換

@Aの文章の主語を自分に置き換え、目的語ないし補語にあたるものを自分に置き換える。

 情動の投影の場合は、さらに動詞に「〜したい」という助動詞をつける。

投影対象があるなしに関わらず、まずこの置き換えをやってみる。(抵抗感があっても、機械的に置き換えてみること)

 文型:「私は、自分を(〜に、〜に対し)、何々したい(何々でありたい)」

 (例)「私は、自分をこき使いたい」(情動の投影)
    「私は、自分に反抗したい」(情動の投影)
    「私は、自分に小言を言いたい」(情動の投影)
    「私は、自分のブリッ子ぶりに腹が立つ」(性格の投影)
    「私は、自分を攻撃したい」(情動の投影)

A情動の投影(否定的であれ肯定的であれ)の場合は、さらに上の文章で目的語ないし補語にしたもの(自分)を、Aの文章で主語にしたものに置き換えてみる。(性格の投影の場合は、このステップは不要)

 文型:「私は、誰々(何々)を(〜に、〜に対し)、何々したい(何々でありたい)」

 (例)「私は、夫をこき使いたい(一度でいいから!)」
    「私は、子供に反抗したい(いちいち言うことをききたくない)」
    「私は、母に小言を言いたい(うっぷんが溜まっている)」
    「私は、誰かを攻撃したい(やりこめたい相手がいる)」

※@とAの結果はまったく違うもののように見えるが、これは情動が投影された場合の2つの側面を表わしている。

 たとえば、他人をこき使いたいという隠れた願望とは、自分に対しても他人に対しても人使いが荒いという自分の性格の投影であると同時に、誰が誰をこき使うかという方向性も投影(置き換え)していることの表れである。

 同じように、誰かを攻撃したいという願望の投影とは、自分の攻撃性を誰かに投影していると同時に、攻撃する側とされる側という方向性も逆転させていることを表わしている。

 このようにして人は、まず自分で自分をつねりたいという隠れた願望に気づき、さらにそれが、他人をつねりたいという願望の偽装であることに気づく。

 

■「D」への記入

 BとC(仮面と影)の対立を確認し、まず自分の影が感じていることを自分に認めてやる。(「そのようなことを感じていてもかまわないのだ」)

 その上で、改めて二つの感情の対立を解消するにはどうしたらいいのかを考え、自分の態度決定をDに記入する。

 (例)「夫にしてやれることはしてやるし、してほしいことはきちんと頼むようにしよう」
    「子供が言うことをきかないときは、まず子供の言うことをきいてやろう」
    「母に(誰かに)言いたいことは、きちんと言うようにしよう」
    「私は、誰に対して敵意を抱いているのかハッキリさせ、その敵意を手放そう」

 

■「E」への記入(相互投影の可能性をさぐる)

 情動の投影の場合、Aに記入した感情が、どのような感情(無意識の意図)の持ち主を引き寄せるかを考え、それを文章にしてEに記入する。

 (例) 夫=「妻は、私の要求がまったく理解できていない」
    子供=「お母さんは、私(ボク)に聞き入れられないことばかり言う」
    母親=「娘は、私に小言を言われたがっている」
    誰か=「誰かが、私に攻撃されたがっている」

 

■「E」から「F」への変換

 AからCへの変換と同じように、Eの文章の主語をその人(本人)に、目的語ないし補語を@本人、ないし、A相手(あなた)に置き換え、さらに動詞に「〜したい」という助動詞をつけてFに記入する。

 (例) 夫=「私は、自分(あるいは妻)の要求を理解したくない」
    子供=「私(ボク)は、自分(あるいはお母さん)に無理な要求をしたい」
    母親=「私は、自分(あるいは娘)に小言を言われたい」
    誰か=「私は、自分(あるいは誰か)に攻撃されたい」






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