■個体発生によって繰り返される生命進化のプロセス




 人間が地球のホログラムであるという証拠は、地球生命の進化のプロセスと個体発生との間の驚くべき相似性にも見いだすことができる。

 個体発生、つまり精子と卵子が結合して胎児となり、成長してこの世に誕生するまでの間には、三〇数億年の生命進化のプロセスが、あたかもビデオテープのスピード再生のように大急ぎで再現される。これは人間に限ったことではない。

 受胎後三週間ほどの人間の胎児は、おなかに卵の黄味のようなものを抱え込み、その形態は孵化したばかりの稚魚と見分けがつかない。

 これが五週目前後になると、約一週間の間に劇的な変化を遂げる。首の付け根のエラ孔はしだいに消え、耳たぶができてくる。ヒレのような手には五本の指が見えてくる。その表情は魚類から両性類ないし爬虫類に近いものになってくる。海から陸に上がったわけだ。「つわり」という現象は通常ここで起きる。生命がエラ呼吸から肺呼吸に変わるときの苦しみが母体に伝わるということか。

 そして六週目前後になると、その面影を爬虫類から原始哺乳類へと変える。

 さらに六〇日から九〇日目ぐらいの間を、哺乳類から霊長類への進化の時として過ごし、一二〇日頃からはっきりとした人間の容貌を見せる。

 ざっとこんな具合だ。